アメリカに来てから、なぜか日本にいるときよりも「人の目」が気になる。
そんな風に感じたことはありませんか?
たとえば、子どもの学校で他の保護者と話したあと。
「もっとこう言えばよかった…」って、何度も頭の中でリプレイしてしまう。
あるいは、スーパーで英語をちょっと言い間違えた瞬間、顔が真っ赤になる。
「今の、変だったかな?」「通じてなかったかも…」
—そんな風に、他人の目を気にしすぎて、自分らしくいられなくなる。
それ、本当にもったいないです。
実は私自身も、周りの目ばかり気にしていた時期がありました。
「変な外国人だと思われていないかな?」「この英語、おかしくなかったかな?」
そんなことばかり考えて、毎日がちょっとしんどかった。
でも今はこう思えるようになりました。
アメリカには、さまざまな国籍・文化の人が暮らしていて、完璧な英語なんて誰も求めていない。
たとえ変な顔をされても、それはその人の人格の問題。
私が自分を責める必要なんて、なかったんです。
今回ご紹介するのは、世界的な自己啓発の第一人者・メル・ロビンズによるポッドキャスト
「How to Stop Caring What People Think of You」
人の目が気になる。そのせいで縮こまってしまう。
そんなあなたに、“明日からの自分を変えるヒント”を、全力でお届けします。
メル・ロビンズってどんな人?
😀Mel Robbins(メル・ロビンズ)って誰?
メル・ロビンズは、元・弁護士という異色の経歴を持つ、アメリカのベストセラー作家・自己啓発スピーカー・ポッドキャストホストです。
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TEDトークの大成功をきっかけに注目を集め、著書『The 5 Second Rule(5秒ルール)』では「迷ったら5秒で行動する」というシンプルな習慣で、多くの人の人生を変えてきました。
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その他の著書には『The High 5 Habit』や『The Let Them Theory』などがあり、どれも「自分らしく生きる力を取り戻す」ための具体的なヒントにあふれています。
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彼女のポッドキャストは、Spotifyなどで常に上位にランクイン。日々のちょっとした悩みに寄り添いながらも、行動を後押ししてくれるメッセージで、多くのリスナーから信頼を集めています。
How to Stop Caring What People Think of You ってどんな話?
この回でメル・ロビンズが伝えたいのは、
「他人の目を気にして、自分を見失っていない?」という問いかけです。
- 他人にどう思われるかばかり考えて、言いたいことが言えない。
- SNSの投稿を何度も書き直して、結局“下書き保存”。
- 承認されることでしか、自分の価値を感じられない。
モデル・タレントとして活躍するChrissy Teigen クリッシー・ティーゲンが登場し、表舞台に立つ自分でも「人にどう思われるかが気になって、怖くなる」と語ります。
彼女はこのポッドキャストの中で、こう語っています。
「私はずっと“自分を罰する人”だったんです。そしてそれに、もう本当に疲れてしまった。
ちょっと出かけて誰かと接するだけでも、“ちゃんとした自分”を見せようと必死になる。
そして家に帰ると、またその一つひとつを思い出して自分を責める。
まるで、自分で作った牢屋の中に閉じ込められているみたいなんです。」“I’ve always been a punisher.”
“I’m in the prison of it.”
そこで登場するのが、メル・ロビンズのとっておきのマインドセット:
“Let Them Theory”(=もう、気にするのをやめようという考え方)
この “Let them” というシンプルなフレーズに、自分らしさを取り戻すヒントが詰まっています。
なぜ、私たちは人の目を気にしすぎてしまうのか?

なぜ、私たちは人の目を気にしすぎてしまうのか?
それは、そう“育てられてきた”からです。
小さい頃、「いい子でいなさい」、「ちゃんとしなさい」と言われたこと、ありませんか?
・親の顔色をうかがう
・先生の期待に応えようとする
・間違えないように振る舞う
「他人にどう見られるか」で自分の価値を測るクセがついてしまったんです。
これはもう、思考のクセ。条件反射なんです。
メル・ロビンズはこれを、”a fundamental part of the human wiring” = 人間に本質的に備わった性質だと語っています。
あなたは、もう他人の顔色を気にして生きなくていい

もしあなたが——
・ 職場で誰かに冷たい態度を取られた
・ 友達からのテキストの返信がそっけなかった
・ 上司の機嫌が悪いのが気になる
・ パートナーがなぜか怒っている
そんな風に、他人のちょっとした反応で、気付けば頭の中がそのことでいっぱいになっている時、
メル・ロビンズは、ここにものすごく大事なことが隠れていると言います。
それは——
「私たちは、自分の力を他人に明け渡してしまっている」
“We’re giving our power away.”
つまり、
「他人の機嫌や反応=自分の価値」
「相手が怒ってる=自分が悪い」
という無意識の前提を持ってしまっている、ということなのです。
他人の反応に自分の価値を預けてしまうと、
自分で自分をコントロールする力を手放すことになります。
“You’re never going to be in control of what somebody else thinks.”
他の人が何を考えるかを、自分がコントロールすることは絶対にできない。
そんな毎日を送っているのなら、もっと自由に生きる方法があるということを伝えたい。
メル・ロビンズはこう言います。
“You hold the power and you are the person that determines your worth.”
「自分の価値を決めるのは、他人ではなく“自分自身”である」
もう、他人を喜ばせるために無理して生きる必要なんてない。
じゃあ、どうやって「自分の力」を取り戻せばいいのか?
その答えが、メル・ロビンズの口から語られた、シンプルだけど強力な言葉でした。
“Let them.”(=そうさせておけばいい)
どうやって「自分の力」を取り戻せばいいのか?
メル・ロビンズの口から語られた、シンプルだけど強力な言葉:
“Let them.”(=そうさせておけばいい)
他人が何を言おうと、どう思おうと、それはその人の問題。
あなたの価値とは、全く関係がないんです。
・同僚がムッとしている? → Let them.
・友達があなたの発言にモヤっとしている? → Let them.
・パートナーがイライラしている? → Let them.
モヤっとした瞬間、ぐるぐる考える前に、深呼吸して、小さくつぶやいてみてください。
“Let them.”
そして、ここで重要なのが、「Let them」の後に続くもうひとつの言葉。
“Let me.”(=自分のすべきことに集中しよう)
Let them(他人を手放す)
Let me(自分に戻る)
この2つのフレーズをセットで持っておくことで、
他人に引っ張られそうになった時、ちゃんと自分の中心に戻ってこれるんです。
そして、ここでもう一つ心に留めておいてほしいのが、
メル・ロビンズが「Let Them Theory」の中で伝えている、こんな考え方です。
“Two things can be true at once.”
「2つのことが同時に真実であることもある」“Even though you love someone, negative thoughts can still pop into your mind. It doesn’t make you love them less.”
「たとえ大切な人のことを愛していても、ふとした瞬間にネガティブな感情が湧いてくることはある。
でもそれは、あなたの愛が薄いということではないんです。」
・誰かがあなたにガッカリしているかもしれない——それでもその人はあなたを好きでいてくれる。
・あなたが誤解された——それでも、あなたはちゃんとした人間である。
・誰かがあなたについて悪く思っている——それでも、あなたには自分を大切に思う権利がある。
他人の感情や意見と、あなたの価値はイコールではありません。
「相手がどう思っていようと、それはそれ。私は私。」
「あの人のあの反応=私への否定」と決めつける必要なんてない。
この感覚を持つことで、もっと楽に、もっと自分らしく生きられるようになります。
自分でコントロールできること3つ
メル・ロビンズが強調しているのは、私たちが本当にコントロールできるのは以下の3つだけだということです。
1.What you think(自分の考え)
どんな思考を選ぶかは、自分次第。
否定的な思考が浮かんでも、それを「そのまま信じるか」「手放すか」を選ぶことができます。
2.What you do or don’t do(自分の行動/行動しないこと)
何をするか、しないかも、あなたが選べます。
行動を起こすことも、あえて立ち止まることも、自分の意志による選択です。
3.How you process your emotions(感情の受け止め方・扱い方)
怒りや不安、悲しみが湧いたとき、それにどう向き合うか、どう処理するかは自分で決められます。
感情を否定するのではなく、「どう付き合うか」をコントロールすることができます。
この3つだけ。これを大切にすること。
英語学習メモ:このエピソードから学べる英語表現
フレーズ/単語 | 意味・使い方 | 例文/ポイント |
---|---|---|
dwell on ~ | ~をくよくよ考える、こだわる | I dwell on it forever. =「それについてずっとくよくよしてしまう」 → ネガティブな思考にとらわれる様子を表す定番表現。 |
punisher | 自分に罰を与えるような人 | I’ve always been a punisher. =「私はずっと自分を罰してきた」 → 自己否定しがちなときに出てくる単語。 |
invert | 逆にする、反転させる | We need to invert how we think about self-worth. =「自己価値の考え方を逆転させる必要がある」 → 思い込みをひっくり返す、という前向きな転換の表現。 |
people pleaser | 他人に気に入られようとする人 | I don’t want my kids to be people pleasers. =「子どもたちには、他人に気に入られようとする人になってほしくない」 → 「いい人」を演じすぎる傾向を表す言い回し。 |
in a prison (of my own making) | 自分で作った心の牢獄にいる | I’m in the prison of it. =「そのせいで、私は自分の作った牢獄に閉じ込められている」 → 精神的に追い詰められている状態を比喩的に表現。 |
Let them / Let me | 相手を手放す/自分に集中する | Let them say what they say. Let me focus on how I respond. =「彼らには言わせておけばいい。私は自分の反応に集中しよう」 → 境界線を引き、自分を守るマインドセット。 |
have a hold on me | 私を支配している、強く影響を与えている | This fear has a hold on me. =「この恐れが、私を支配している」 → 恐れや感情などが心を支配している様子。 |
bashing | (言葉で)叩く、非難する | Stop bashing yourself. =「もう自分を責めるのはやめよう」 → 自分を責めすぎないで、という自己受容の文脈で使える。 |
validation | 承認、認められること | I was always chasing validation. =「私はいつも承認を求めていた」 → 誰かに認めてもらいたい気持ちを表現する言葉。 |
attribution | 帰属、原因をどこに求めるかという考え方 | Attribution helps me realize their behavior is about them, not me. =「その行動は相手自身の問題であって、私のせいではないと気づくのに役立つ」 → 他人の態度を自分のせいにしない認知の枠組み。 |
resonated | (感情的に)響いた、共鳴した | Her words really resonated with me. =「彼女の言葉は本当に心に響いた」 → 話が心に響いたときに使える自然な表現。 |
How to Stop Caring What People Think of You
人の目が気になる——
そんな思考のクセを、手放すヒントが「Let them」にあります。
他人の感情や反応はコントロールできません。
でも、自分が何を考え、どう行動し、どう感情に向き合うかは、いつだって自分次第。
深呼吸して、小さくつぶやくだけでいい。
Let them.
そして、Let me.
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